顔のたるみは、第一印象を大きく左右するため、エイジングサインとして多くの人が気にするポイントです。そんなたるみへの対策として近年注目されているのが「糸リフト」です。メスを使わずにリフトアップ効果が期待でき、肌のハリや弾力まで向上させるといわれるこの施術は、効果的な美容医療として知られています。
この記事ではたるみの原因や予防法、そして糸リフトがたるみ予防に効果的な理由を徹底解説します。これから糸リフトを検討している方に向けた記事となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

たるみの原因
顔のたるみは、加齢により皮膚・筋肉・脂肪・骨といった複数の要因が絡み合って起こる現象です。たるみの主な原因は3つあります。
1つ目の大きな原因は真皮層の衰えです。真皮層とは、表皮の下に位置する皮膚の主要な層で、肌の弾力やハリを保つ重要な役割を担うものです。真皮層には、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つ成分が存在しています。しかし加齢や紫外線、生活習慣の乱れなどによりその量が減少し、構造が崩れると皮膚を支える力が低下します。
2つ目は皮下脂肪の下垂です。年齢とともに顔の脂肪が重力に従って下がり、頬やフェイスラインにたるみとして現れてきます。
3つ目の要因は筋力の低下です。顔の筋肉(表情筋)は日常の表情の動きに関わっていますが、加齢や運動不足で筋肉が衰えると、皮膚や脂肪を支えきれなくなり、たるみが進行します。
その他にも、紫外線、喫煙、睡眠不足、ストレス、栄養バランスの偏りなども、肌の老化やたるみを引き起こす外的・内的要因として無視できません。
たるみの予防方法
たるみを防ぐためには、日々の生活習慣を見直し、肌に優しいケアを継続して行うことが大切です。たるみは一度進行すると改善が難しくなるため、できるだけ早いうちからの予防が効果的となります。
まず基本となるのが紫外線対策です。紫外線は真皮層のコラーゲンを破壊し、肌の弾力を失わせる最大の原因といわれています。日焼け止めの使用はもちろん、帽子や日傘、サングラスなどのアイテムを活用してUV対策を徹底しましょう。
次に保湿ケアです。乾燥は肌のバリア機能を低下させ、ハリや弾力の喪失を招きます。ヒアルロン酸やセラミド、コラーゲン配合のスキンケアアイテムで、常に潤いを保つことが大切です。
「表情筋のトレーニング」も効果的です。頬を持ち上げる運動や、口角を引き上げるエクササイズなどの運動を毎日数分行うだけで筋力が維持され、たるみの予防につながります。
さらに「バランスの良い食事」と「十分な睡眠」も欠かせません。タンパク質、ビタミンC、ビタミンEなど、肌の再生に必要な栄養素をしっかり摂ること、成長ホルモンが分泌される深い睡眠を確保することが、たるみ予防に直結します。
たるみを予防するには上記の対策が必要となります。しかしすでにたるみを感じ始めている方もいますよね。そんな方は、美容医療の施術をすることも一つの手です。下記ではたるみ防止に効果的な糸リフトについてご紹介します。
糸リフトとは?
糸リフトとは、特殊な医療用の糸を皮下に挿入して、皮膚を物理的に引き上げる美容施術のことです。糸にはコグ(トゲ)がついており、それが皮膚組織に引っかかることで、たるんだ皮膚を上方向に持ち上げることができます。
使用される糸は「溶ける糸(吸収性)」と「溶けない糸(非吸収性)」の2種類があり、吸収性の糸は体内で一定期間後に自然に分解・吸収されるものです。主な素材にはPDO(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLLA(ポリ-L-乳酸)などがあります。
糸リフトの最大の魅力は、メスを使わずに自然なリフトアップが可能な点です。ダウンタイムが短く、日常生活にすぐ復帰できるため、仕事や家事に忙しい方にも効果的な施術です。また、糸を挿入することで肌の中に微細な炎症反応が起こり、それによってコラーゲン生成が促されるため、肌の若返り効果も期待できます。
糸リフトがたるみ予防に効果的な4つの理由
糸リフトの施術がたるみ予防に効果的な理由は下記の4つです。
- 効果をすぐに実感できる
- リフトアップの効果が長続きする
- メスを入れるよりダウンタイムが短い
- 肌の若返り効果もある
1. 効果をすぐに実感できる
糸リフトは施術直後からリフトアップ効果を感じられるため、即効性を求める方に適した施術です。厚生労働省によると、糸リフトは一時的に顔のしわ・たるみの改善が期待できるとされています。
2. リフトアップの効果が長続きする
糸の素材にもよりますが、糸リフトの効果は通常1〜2年程度持続すると言われています。さらに、糸が吸収される間にコラーゲンが増生されるため、糸がなくなっても肌の引き締まりが続くのが特徴です。糸リフトは単なる引き上げ施術ではなく、肌そのものを改善する治療ともいえます。
3. メスを入れるよりダウンタイムが短い
外科的なフェイスリフト手術に比べると、糸リフトのダウンタイムは短く、施術直後でもマスクをすれば外出が可能な場合が多いです。厚生労働省によると、皮膚の切開を伴うフェイスリフト手術に比べて短時間に施行でき、ダウンタイムも少ないと言われています。痛みや腫れも軽度で済むことが多く、時間に余裕のない人でもトライしやすいのが魅力です。
4. 肌の若返り効果もある
糸リフトの施術は、肌の若返り効果もあります。挿入された糸が肌内部に刺激を与え、その刺激によりコラーゲンやエラスチンが生成されるからです。これによって、肌のハリが蘇り、キメが整い、毛穴の開きや小ジワの改善にもつながります。糸リフトは単なる見た目の変化だけでなく、肌質そのものを向上させる可能性があります。
糸リフト施術のリスク
美容医療にはリスクがつきものであり、糸リフトも例外ではありません。糸リフトのメリットばかりではなく、デメリットや注意点も理解したうえで施術を受けることが大切です。
効果は永久的ではない
糸リフトの効果は一時的なものであり、糸が体内に吸収されると徐々にリフトアップ効果は薄れていきます。厚生労働省によると、施術してから6 ヶ月後には効果は減弱しており、 12 ヶ月後にはほとんど効果が失われるとの報告があります。そのため、1年〜2年ごとに再施術が必要となる場合があるでしょう。
治療中や治療後に痛みを感じる場合がある
麻酔を使用するとはいえ、糸の挿入時には引っ張られるような違和感や圧迫感を感じることがあるでしょう。また術後数日間は痛みや腫れ、内出血が見られることがあり、完全に痛みがないとは言い切れません。
たるみが強すぎると効果を感じにくいことがある
たるみが非常に進行している場合、糸リフトのみで十分な効果を得るのは難しいことがあります。そのような場合には、外科的フェイスリフトや脂肪吸引などとの併用が検討が必要です。
糸リフトで効果が実感できない方の特徴
糸リフト施術を受けたにもかかわらず、十分なリフトアップ効果を実感できない方にはいくつかの共通点があります。
顔の皮膚や脂肪の厚みがある | 皮下脂肪やむくみが多いと、糸のトゲがしっかりと組織を捉えられず、引き上げ効果が弱まる可能性あり |
肌の弾力が著しく低下している | 真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少している場合、糸による刺激で新生コラーゲンが増えても支えが弱いため、十分にリフトアップできない可能性あり |
施術後のアフターケアを怠る | ダウンタイム中に強い表情運動やマッサージを行うと、糸の位置がずれて想定外の結果を招く可能性あり |
現実的でない期待を抱いている | 糸リフトはフェイスリフト手術ほどの劇的変化は望めないため、切開を伴う施術と比較して期待値が高すぎると、満足感が低くなる可能性あり |
糸リフトの持続期間は1〜2年
糸リフトの効果は、使用する糸の素材や本数、挿入のテクニック、個人の肌質やライフスタイルによって差がありますが、一般的には1〜2年程度持続するといわれています。吸収性の糸は挿入後6〜12ヶ月をかけてゆっくり分解され、その間に誘発されたコラーゲンが肌の内部構造を補強します。
また、非吸収性の糸を使用した場合は、物理的な支持構造がより長期にわたって維持されるため、2年以上の効果が期待できるケースもあるでしょう。ただし、糸が残存していることによる異物感や感染リスクを考慮し、使用する糸の種類はしっかりと医師と相談して選ぶことが大切です。
糸リフトの効果を持続させる4つの方法
糸リフトの持続期間は一般的に1〜2年と言われています。しかし糸リフトの効果を持続させる方法もあるため、本章では糸リフトの効果を持続させる方法を4つご紹介します。
- 持続期間が長い糸を選択する
- 使用する糸の本数を増やす
- 定期的なメンテナンスを行う
- 施術後の生活習慣を見直す
1. 持続期間が長い糸を選択する
糸にはさまざまな素材があり、PCL(ポリカプロラクトン)やPLLA(ポリ-L-乳酸)は吸収までの期間が長く、より持続性に優れています。施術前にクリニックで取り扱っている糸の特性を比較し、ライフスタイルや予算に合わせた選択をしましょう。
2. 使用する糸の本数を増やす
糸リフトは本数が多いほどリフトアップ力が高まります。フェイスラインや頬、顎下など気になる部位に重点的に追加することで、総合的な引き上げ効果がアップし、持続時間の延長が可能です。
3. 定期的なメンテナンスを行う
1年程度で効果が薄れてきたタイミングで、ポイント施術を取り入れることで常に一定のリフト感を保てます。また、PRP(多血小板血漿)やエレクトロポレーションなどの肌再生治療を併用すると、より健康的な肌をキープできます。
4. 施術後の生活習慣を見直す
術後は喫煙や過度な飲酒を控え、紫外線から肌を守ることが重要です。また、十分な睡眠と栄養バランスの良い食事を心がけることで、コラーゲン生成をサポートし、リフトアップ効果を長持ちさせます。
糸リフト治療の流れ
糸リフト治療の流れをあらかじめ理解することで、診療をスムーズに受けることができます。糸リフト治療の流れは下記の通りです。
- カウンセリング
- 治療当日
- アフターケア
カウンセリング
初診では医師が肌状態やたるみの程度、希望する仕上がりイメージをヒアリングし、適切な糸の種類や挿入本数、施術部位を決定します。リスクや注意点、術後のケア方法についても詳しく説明を受けましょう。
治療当日
施術当日は局所麻酔または笑気麻酔を使用します。麻酔が効いたら、医療用の管状器具や針を使って糸を皮下に挿入し、コグが組織に引っかかるように引き上げます。施術時間は部位や本数にもよりますが、30分から1時間程度が一般的です。
アフターケア
術後は数日間、腫れや内出血が出る場合があります。就寝時には高い枕を避け、うつ伏せ寝をしないように注意しましょう。
たるみの解消なら、糸リフトを選択肢に
たるみ解消の手段は多岐にわたりますが、糸リフトは切開を伴わない治療として魅力的です。即効性とダウンタイムの短さ、さらには肌質改善効果まで兼ね備えているため、初めての美容医療としても取り入れやすいでしょう。
よりナチュラルな仕上がりを求める方や、外科手術に抵抗がある方には特におすすめです。適切なクリニック選びが、満足度の高い結果を得るために大切です。
まとめ
糸リフトはメスを使わずにリフトアップ効果が期待でき、肌のハリや弾力まで向上させるといわれています。しかし、効果は永続的ではないため、定期的な施術が必要となる場合もあります。また施術をする際は、しっかりとカウンセリングをしてくれるクリニックを選ぶことが大切です。
当記事を参考に、自分に合ったエイジングケアプランを立て、若々しい肌を手に入れましょう。
